大倉尾根から丹沢山 春 5月 ~丹沢登山LIFE.com

大倉尾根から丹沢山 春 5月

   

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大倉尾根から丹沢山 春 5月

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2014年5月18日

日本百名山 丹沢山

丹沢の新緑色増す五月中旬の日曜日、今日は山のように残っている仕事を片付けると決めていたので丹沢には行かれない予定でしたが、朝目が覚めて丹沢を眺めると・・・抜けるような青空と新緑に彩られた丹沢山塊が目に飛び込んで来てしまい、気が付けば仕事そっちのけで大倉尾根登山口に向かってしまいました。

山好きは仕事の山より自然の山を選んでしまうのは当然の事ですので仕事は夕方からと勝手に決め今日の目的地は丹沢山となっていました。普段の丹沢登山は人混みを避け、平日に赴くのですが今日はあえてハイシーズンの休日、そして丹沢でも一二を争う人気の塔ノ岳を見に行ってみようと思います。


大倉尾根序盤の林間を上がる登山道、初夏の陽気に誘われてか昆虫達の数が一気に増えた気がします。カゲロウ類やユスリカにコバエと様々な虫達が縦横無尽に飛び交っており、口を開けると今にもライズしてしまいそうな状態です。

たまたま虫達のハッチに出くわしてしまったのでしょうか。いつもより少々ハイペース気味に林間を駆け上がり見晴茶屋まで急ぎます。汗

大倉尾根登山口大倉尾根序盤の林間

見晴茶屋も新緑に囲まれて初夏らしい感じを漂わせています。また見晴茶屋の前からの眺めも冬場に比べて湿度が高いこの時期にしてはかなり遠くの方まで見渡せる状態でした。

新緑に囲まれた見晴茶屋見晴茶屋からの眺め

この数週間で一気に葉を広げた大倉尾根の木々が登山道に木陰と木漏れ日を作り出し冬場の明るい感じの登山道とは違った雰囲気で出迎えてくれています。ここに大倉尾根の同じポイントで撮影した写真を並べてみました。3月の雪解け間もない頃の大倉尾根とその二か月後、新緑の大倉尾根皆様はどちらの大倉尾根がお好みでしょうか?

3月の大倉尾根新緑の大倉尾根 3月の大倉尾根新緑の大倉尾根

高く青い空が広がる冬場の登山道も捨てがたいのですがやはり私は躍動感というか生命力というか活気溢れる新緑の時期が一番好きですね。見上げれば・・・

写真では見にくいのですが大倉尾根登山道右手に見える三ノ塔、頂上の避難小屋までくっきりと見えています。この時期は景色も素晴らしいですし、見上げた新緑もまた格別、そして足元にも花々が咲き誇り見所いっぱいで忙しい限りで倒木の影に隠れるようにひっそりと咲いている花々も可憐ですね。

大倉尾根から望む三ノ塔倒木の影に咲く花

丹沢のツツジでは二番目に開花時期を迎えるヤマツツジも蕾を大きく膨らませて開花間近となっています。そして一番初めに見頃を迎えるミツバツツジは元気よく咲いていました。

このミツバツツジはトウゴクミツバツツジに雰囲気は似ていますが開花時期がトウゴクミツバツツジよりも早い事と雄しべの本数で見分ける事ができます。ちなみに早咲きのミツバツツジは雄しべが5本なのに対してトウゴクミツバツツジは10本になります。

開花間近のヤマツツジ早咲きのミツバツツジ

次々に現れる花々を楽しみながら登る大倉尾根、自然と足取りも軽やかになり気がつけばあっという間に花立山荘近くまで登ってきてしまっていました。抜けるような丹沢の空と花立山荘前の氷の旗が風に靡く様が見えたらなんだか夏を感じられる光景に思えます。

花立山荘前からの景色花立山荘と氷の旗

花立山荘前から望む富士山も澄んだ青空と雪化粧のコントラストが綺麗ですね。

そんな富士山を左手に見ながら登山道を進むと春の金冷しに到着です。今日は丹沢山を目指すため、金冷しを右に曲がります。金冷しから数分歩いた登山道でちょっと気になった新芽があったので写真に残してみました。

ツヤがあり起伏のある深い緑色の葉にくっきりと浮き出る赤紫色の葉脈、なんという葉なんでしょうか?疑問に思ったので下山後に調べてみたところ知識のある方から姥百合の新芽だとお聞きしました。花期は7月〜8月との事でしたのでまた真夏に大倉尾根を登る楽しみが一つ増えました。

春の金冷し姥百合の新芽

塔ノ岳山頂

先には青い空しか見えないこの階段を登りきった場所が塔ノ岳山頂になります。登山ハイシーズンの休日に丹沢屈指の人気を誇る塔ノ岳山頂、どれだけの登山者が集まっているのでしょうか。

今日はその人気度合いの確認もしたくてこの登山ルートを選びました。さてさてどんなもんでしょうか。確かに数人の登山者は見受けられますが思ったほどの混雑ではないようですね。時計を見ると9時40分、まだ時間的にちょっと早いのでしょうか?この後、丹沢山まで脚を伸ばすので帰りにもう一度確認して見ることにします。

塔ノ岳山頂前の階段午前中の塔ノ岳山頂

今日の塔ノ岳山頂も素晴らしい見晴らしですね。塔ノ岳山頂はぐるっと周りを見渡しても視界を遮る木々なども無く登山者にとっては最高のビュースポットなのですが昭和初期の頃の塔ノ岳山頂付近はブナの大木に覆われていたとの事です。

では今は何故それらのブナの大木が姿を消したのでしょうか?登山ブームの煽りを受けて登山者のために見晴らし良く伐採。なんてことはありません。今なお丹沢で深刻な問題となっているブナの立ち枯れが原因で塔ノ岳の山頂付近にはブナの大木が見られなくなったとの事でこの先の丹沢主脈線でもその深刻さを感じる事となります。

北西には春山の感じを漂わせている檜洞丸が見られ、その背後にはまだまだ雪を抱いた南アルプスの白い峰々や秩父の山々等、この時期ここまで見晴らせる天候に恵まれたことに感激と感動を覚えます。

塔ノ岳山頂塔ノ岳山頂の景色

この先、塔ノ岳山頂から2.6kmで丹沢山山頂、6kmで蛭ヶ岳山頂になります。

塔ノ岳山頂塔ノ岳山頂

この時期、丹沢では桜類の花々はシーズンを終えようとしており、これから迎えるツツジシーズンの幕開けを感じさせられます。

登山道に咲く桜登山道に咲く桜

丹沢山への登山道を歩いていて我れ先にと咲き出したシロヤシオを見かけると自然と足は止まり嬉しい気持ちがこみ上げてきます。まだまだ咲き始めといった感じで満開までには時間がかかりそうですが。

丹沢山への登山道咲き始めたシロヤシオ

この丹沢主脈線からの富士山の眺めもなかなかいいものです。

丹沢主脈線の指導標丹沢主脈線からの富士山

花期を若干過ぎ少々枯れ気味の叡山スミレを見かけました。この叡山スミレ、丹沢の登山道ではあまり見かけなくなりましたね。登山道脇にスミレの花を見つけ近づいてみると八割以上はタチツボスミレだったりします。やはりブナの立ち枯れの影響などから叡山スミレの好む湿り気のある林床が減ったのも原因なのでしょうか。

萎れた叡山スミレ乾いた感じの林床

日高を過ぎ竜ヶ馬場で一休み。視界を遮る高い山が無いため正面には大山がハッキリと見え、右手には今歩いて来た登山道とその先に尊仏山荘が望めます。

丹沢の山々を眺めていて感じたのですがなぜ塔ノ岳から丹沢山に向かうこの丹沢主脈線だけが特に立ち枯れが目立つのでしょうか?丹沢の山々各地でブナの立ち枯れは見られますが特にこの丹沢主脈線の状況はひどい状態に感じます。

丹沢のブナの立ち枯れの原因として考えられているものには幾つかあり、一番の問題はブナハバチの大量発生によるブナの葉の食害が挙げられています。他にも低温高湿を好むブナにとって温暖化も深刻な問題であり、さらには鹿によるブナ林の下草食害による林床乾燥なども原因とされています。このように丹沢のブナにとっては多くの問題を抱えているようです。

竜ヶ馬場より望む大山竜ヶ馬場より望む塔ノ岳

竜ヶ馬場より15分ほど、丹沢山山頂まであと100mの指導標が見えたらもう山頂に到着したようなものです。日本百名山の丹澤山に到着です。ここからの富士山の眺めも最高ですね。この時は何処かのテレビ局の取材が行われていました。

丹沢山山頂山頂での取材風景

丹沢山山頂

丹沢山山頂でゆっくりとした時間の流れを感じながらふと思ったのですが丹沢山は私の中ではいつも何処かに向かう通過点でしかなかったことに気が付きました。今まで丹沢山塊の山々にいろいろと登ってきましたがこの丹沢山を目的の山として登ったのは今日がはじめてでした。

周りを木々に囲まれており塔ノ岳や鍋割山などに比べると眺望的にはちょっと劣るところがあるかもしれませんが広い山頂とそこに建つみやま山荘、今一度丹沢山の魅力を再認識させられました。次にこの山に登るときにははみやま山荘に一泊させていただこうかな。

一時間ほどでしょうか。山頂でのんびりとした時間を過ごしまた来た道へと戻ります。結構不思議なもので登りに見つけられなかった花々を帰り道で見かけることも多いんですよね。コイワザクラもひっそりと咲いていました。

ひっそりと咲くコイワザクラひっそりと咲くコイワザクラ

ここを登れば塔ノ岳山頂ですがさてどうでしょうか。朝はまだ早い時間でしたのでさほど混雑はしていませんでしたが現在、お昼過ぎと言った休憩にはもってこいの時間帯です。

凄い登山者の数です。ざっと数えてもゆうに百人以上はいます。流石丹沢山塊屈指の人気スポット塔ノ岳ですね。山頂から望む富士山のこの眺めですから登山者の皆さんが長居したくなるのもわかる絶景です。

新緑を迎えた丹沢の山々が前景を作り上げ、爽やかな初夏の空に雪化粧をした富士山、そのそばを刻一刻と姿を変えながら流れる白い雲、同じ景色は二度と見ることの出来ない自然が作り上げるこの一瞬を目蓋に焼き付けるように佇んでしまいます。

お昼過ぎの塔ノ岳山頂お昼過ぎの塔ノ岳山頂

次に塔ノ岳に登る頃にはスミレの時期も終わり夏本番を迎えているかもしれません。叡山スミレがお疲れ様と軽く会釈をするように見送ってくれていました。勝手な解釈ですが(笑



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