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大山、塔ノ岳、蛭ヶ岳、丹沢山、鍋割山、檜洞丸、大室山など四季折々魅力的な山が多い丹沢山塊。首都圏からも近くアクセスも良いということで初心者の方にも非常に人気がありますがその反面ヒルの増加によるヒル被害の懸念を抱く方も多いようです。

そこで丹沢山塊をホームグランドとして活動している自分の経験談から丹沢のヒルの生息状況をご紹介いたします。塔ノ岳に行きたいけど蛭はいやだ!とかこのルートを歩きたいんだけどヒルは多いのかな?など御心配されている方は一度ご覧ください。

まずはヒルの分布状況をご説明する前にヒルの性質や特徴をしっかり把握することでヒルの被害にあわないようにすることもできますのでその辺から説明いたします。

登山者の天敵ヤマビルとは

ニホンヤマビル(学名:Haemadipsa zeylanica japonica)は、日本国内の陸棲吸血性ヒルとしては唯一の種でミミズやゴカイと同じ環形動物門に属し、ヒル網顎蛭目ヤマビル科に分類されます。ヤマビルの体は体長2~3cmくらいで強い伸縮性があり、伸びると5~8cmにもなります。

さらに引っ張ってもちぎれないほどの弾力性があり足で踏みつけてもつぶれない強靭な筋肉を持っています。体表には多くの乳頭突起があり、この優れたセンサーが体温・炭酸ガス・振動・におい・温度などを感じる感覚器となり人や動物が近づくとすぐさま反応し静かに忍び寄ってくるのです。

ヤマビルは身体の端部に2つの吸盤をもち、前吸盤と後吸盤を使いシャクトリムシ状に移動し移動速度は約1m/分と意外に速く、はじめてヒルを見た人はヒルってこんなに速く動けるの・・・と驚かされるほどです。

どのように血を吸うのか?

ヤマビルは、登山道の石や葉の裏に潜んで近くを通る野生動物や登山者に取り付き、吸血しやすい体毛の少ないところにもぐりこみ、柔らかい表皮を3つの顎でY字型に切り、にじみ出る血液を約30分~1時間かけて吸血します。

吸血の際ヒルジンと言う血液凝固阻止物質が顎歯の間から分泌されることにより、血を吸われていることにほとんど気が付かず気が付いた頃には靴下などが血だらけになっているようなこともあります。

ヒルに血を吸われてもさほどの痛みは感じませんがやはり容姿から考えても取りつかれると気持ちのいいものでは無いですし、一度血を吸われるとなかなか血が止まらない事にショックを受ける方もいるようです。

それではヤマビルの被害にあわないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?それには幾つかの対策があります。まずはヤマビルが活発に活動する時期を避けて登山をする方法です。

丹沢でのヤマビル活動期と対処法

丹沢でのヤマビルの活動時期は4月~11月で気温が20度以上の湿度が高い日や雨上がりなどに最も活発になります。ヤマビルの一年の活動サイクルは気温が上昇する4月頃から地表にいる個体が増え、6月~7月の梅雨や9月の秋雨の時期に特に活動が活発化し、気温の低い12月~3月は地表から姿を消し、落ち葉や石の下などに潜んで越冬していますので冬場の登山ではヤマビルの心配はありません。

またヤマビルの活動が活発になる時間帯もあり晴天・曇天日は朝夕や夜間、雨の日など湿度が高い日は終日活発に活動しているようです。この事からもわかるようにヤマビルはお日様の光が苦手で日当たりのいい場所を嫌います。

ヤマビル被害に遭わないためには

あまり整備されていない獣道のような脇道などは歩かずに整備された登山道を歩くことが大事でしっかり整備され適度に日の当たる登山道へはヒルもでてきません。 ヒルの好む湿った環境で落ち葉などが堆積しているような場所には踏み込まないように気を配りながら歩いているだけでも被害にあう確率はかなり低くなります。

吸血されないためには市販の虫除けスプレーなどでも短時間(2~3時間)なら効果がありますが、ヤマビル専用の忌避剤(主成分は虫除けと同様ですが、忌避効果の持続性を高めたもの)も市販されています。ヤマビル専用の薬剤は直接皮膚には使えませんので所定の使用方法に従って靴などに塗布してください。

それでもヤマビルに血を吸われたら

まずビックリする→唖然とする→泣く・・・・・ではなく冷静に対応しましょう。そのためにはヒルに吸血された際の対処法を事前に知っておく必要があります。

まずはヤマビルをすぐに取り除きましょう。よく勘違いされがちなのですがヤマビルはマダニと違い、無理に引き剥がしても歯が皮膚に残ることはありません。

お勧めの方法としては塩や消毒用エタノールをかけたり、火であぶったりすると簡単にとれますがそのようなものを持ち合わせていない時などは指で引き剥がす方法でも構いません。

引き剥がしたヤマビルはそのままにすると繁殖し増えてしまうため、塩や薬剤で必ず駆除するようにしましょう。次に傷口は指でつまんでしっかりと血を押し出します。これはヤマビルが分泌したヒルジンを体内から出すためでしっかりやらないと血が止まりにくくなります。

その後傷口を水や消毒用エタノールで洗い抗ヒスタミン剤(虫刺され薬やかゆみ止め薬)を塗り、ばんそうこうを貼ります。注意点としては傷口を悪化させてしまう可能性があるため傷口にはアンモニアを絶対に塗らないでください。


丹沢のヤマビル分布

とこんな感じでヒルの性質や対策をご紹介いたしましたが自分が丹沢を歩いていて感じたことはそれほど神経質にならなくともヒルの被害にあうことは稀です。

というのも昨今の登山ブームで丹沢のメジャーな登山道は綺麗に整備されてヒルが住みにくい環境づくりもされています。下記に丹沢山塊の地図をもとに丹沢のヤマビル分布状況を自分の感じた感覚でですがご紹介いたします。

まず赤い線の丹沢ヤマビル境界線と名づけた線がありますがこの辺りを境に東側に多く、西に行くに連れて生息数は少なくなっています。また青○のような川の周辺など湿気の高い場所や日の当たりにくい沢などにはそれなりに生息しています。ただ緑色の線で引いたような登山道ではほとんど被害にあったことがありません。

丹沢のヒルの分布は東から西に徐々に広がってきているとは言われていますがヒルの分布が広がる理由として考えられているのが鹿などの野生動物による運搬が挙げられています。

そのような理由から丹沢の各地では鹿の移動を制限しヒルの分布拡大を阻止するためにシカよけ柵などを設置しています。これは鹿による下草の食害を防ぐ意味もありますがこのシカよけ柵のおかげで鹿の移動範囲は制限されその結果、ヒルを西側に持ち込まないようになっています。

今まで述べてきた事をまとめますと大倉尾根から塔ノ岳、丹沢山やヤビツ峠から塔ノ岳、西丹沢自然教室から檜洞丸などの主要登山ルートでは登山道を外れずに両脇の落ち葉などのたまり場を避け日当たりのいい場所を歩けばヤマビルの被害は心配ないという事になります。

登山前日までは少々気がかりかもしれませんが実際に丹沢の山々に登るとそのような心配は吹き飛んでしまうような素晴らしい光景が広がっていますので臆することなく挑戦してみてください。もしどうしても心配の方は念には念を入れてヒル対策を万全にして行きましょう。

ヒル対策の忌避剤

丹沢ではメジャーな登山道や日当たりの良い登山道であればほぼヒルの被害に遭うことは少ないことはわかったけれどそれでもやっぱり心配・・・という方にはやはり虫除けスプレーのヒル版とも言えるヤマビル用忌避剤がオススメです。

先にも少し触れましたが登山前にヒル避けスプレーを使用することでヒルの被害に遭う確率は一段と低くなりますので山に行かれる時には携帯しておくといいでしょう。市販されている忌避剤の中でもメジャーなものをご紹介致します。

ヤマビルファイター

ヤマビルファイターディートを主成分としたヤマビル用忌避剤で塗布することによりヤマビルを寄せ付けず吸血被害を防ぐことができます。

ディートとは第二次世界大戦中のジャングル戦の経験に基づきアメリカ陸軍で開発された物質で昆虫類がこの物質の匂いを嫌う性質を利用し、現在では多くの虫除けスプレーなどに主成分として利用されています。

ディートの成分は昆虫のみでは無く、ナメクジやヒルなど昆虫とは全く違った生物に対しても有効であることが実証されているためヤマビル忌避剤にも使用されています。

研究の結果から人の健康には重大な影響を及ぼさないとされていますが、人によってはアレルギーや肌荒れを起こすことがあるため気になる方はディート不使用のものを選ばれるといいでしょう。

ヤマビルファイターの使用方法

ヤマビルファイターは直接皮膚にスプレーせずに着用する衣類につけるようにしましょう。成分の関係から沈殿しやすいので、よく振ってから衣類の表面が均一に濡れる程度にスプレーします。

衣類はよく乾燥させてから使用し、乾く前はなるべく水に濡らさないようにしてください。

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ヤマビルファイター エコ

ヤマビルファイターエコ安全性を重視し、環境にやさしい植物性精油成分を使用したヤマビルの忌避・駆除剤です。気になるディート成分を含まず、シトロネラ・ティーツリーオイルを使用しているので健康や環境への不安がありません。

ズボンなどの衣類や靴ににスプレーするだけで、ヤマビルを寄せ付ず、吸血被害から守ります。雨や水に強いため露の降りた草地や山道を歩いても効果が持続します。

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ヒル下がりのジョニー

ヒル下がりのジョニー人体や自然環境に優しい製品ですが、ヤマヒルには強力な忌避効果を発揮します。粘着力がありヌルヌルしますので、地肌に直接スプレーしないで下さい。

ヤマビルには強力な忌避効果を発揮しますが、使用後の衣類などは赤ちゃんの肌着と一緒に洗濯しても安心安全です。

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